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転んでもただでは。

うつ病さんのブログです。闘病生活や、これまでの病気の経過、これからの展望などを綴ります。

うつ病さんのイラストブログです。

低気圧の日の気まぐれ

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その日は低気圧が押し寄せてきていて、私の心もそれに影響されて不安定に揺れ動いていた。朝気分の乗らないことの多いうつ病だが、ご多分に漏れず午前中はろくに動けなかった。午後には回復するかな、と思っていたのだが、天気と同様、私の気分は一向に晴れてこない。

ここのところ、体調が安定していたことに調子づいていた私は、その日の心の揺れを許せない気分でいた。せっかく、調子が戻ってきたと思ったのに。

 

だからかもしれない。私はモードを変えたくて、ふらりと彼の元を訪れた。

 

突然の来訪にもかかわらず、彼は私を見るなりぱっと笑顔になって、室内に招き入れてくれた。

「ごめんなさい、連絡もしないで。」

そう言う私に、彼はタオルを手渡しながら、

「全然問題ないですよ。ちょうど、暇していたところです。雨、大丈夫でしたか。」

と優しく言った。そして、

「本当に久しぶりですね。ずいぶん長いこと来てくれなかったから、電話でもしようかと思っていたところです。」

と、捨てられた子犬のような瞳で私に恨み言を言った。

「忙しかったわけじゃないけど・・・。ちょっと体調がね。たいしたことじゃないんだけど。」

別に言い訳する必要はないのだが、そんな表情を作られて、しばらく彼の元を訪れなかったことについて、なんだか申し訳ない気持ちになった。

 

彼には、鬱のことは言っていない。年下の彼に気を遣われるのはごめんだ。ただ、伝えたところで、これまでの関係が崩れるとは思わなかったが。

「体調? どうかしたんですか?」

当然来るであろう質問に対する答えを、私は用意していなかった。

バカみたいに思わせぶりな態度を取るのもなんだが、ただ、「うん、ちょっとね。」とだけ答えた。

彼は、私が言葉を濁すように言ったことに気づいたのか、それ以上は聞いてこなかった。代わりに、

「季節の変わり目ですからね。十分注意してくださいね。」

とだけ言ってくれた。空気の読める人は好きだ。

 

私をいすに座らせてくれながら、彼はさりげなく話題を変えた。

「それにしても、珍しいですね。こんな時間に。」

時計はすでに午後7時を回っていた。

「今日は、主人が出張でいないの。」

そう言う私に、彼は、

「なるほど、奥さん業もサボれるわけですね。」

茶化すように言いながら、背後から、そっと私の長い髪を触った。私は、自分の髪が彼の指先からするすると滑り落ちていくのを見た。

「髪、伸びましたね・・・。」

彼が言う。

その言葉を合図にしたかのように、私は赤い表紙の冊子を取り出して、彼に告げた。

 

 

「今日は、カットとヘッドスパでお願いします。このホット○ッパーのクーポン、使える?」

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